第103章

秋山棠花の皮肉めいた視線は、藤原光弘から、ごく自然に彼の前に立つ女へと移った。

スモーキーメイクに、整った顔立ち。出るべきところは出て、くびれるべきところはくびれている。おまけに、背中が大きく開いたカットアウトドレス……。

藤原光弘はいつからこんな妖艶なタイプが好みになったのだろう?

彼が一番好きなのは、秋山柔子のような清純なタイプではなかったか!

それとも、趣味が変わったのか。

だが、二度三度と目を凝らすうちに、秋山棠花は思わず眉をひそめた。

見間違いかと思った。

この女……どうやら自分の方に、より似ているようだ。

その時、秋山棠花の登場がバーの中を騒がせた。カウンターの中...

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