第104章

ふと藤原光弘の顔色が曇っているのが目に入り、秋山棠花はフンと鼻を鳴らすと、わざと火に油を注いだ。

「浬くん、何でも私に合わせなくていいのよ。ここが気に入らないなら場所を変えましょう? 昨日の夕食、まだ埋め合わせできてないしね」

彼女は藤原光弘に思い知らせてやりたかった。

自分、秋山棠花は、彼でなければならないわけではないと。

それに、このゲームを提案したのは佐倉直樹だ。彼が何をしたいのかは、見る人が見れば一目瞭然だった。

ゲーム?

要するに、形を変えて自分と藤原光弘の本心、特に藤原光弘の本心を探り出したいだけだろう。

以前の自分なら、知りたかったかもしれない。

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