第106章

ましてや今は柏木浬が会社を引き継ぐ大事な時期だ。彼のことを考えれば、彼女が過度に干渉するわけにはいかない。

秋山棠花はすぐに決断を下した。

選択権を柏木浬に委ねることにしたのだ。

「浬くん、この件、あなたで対応できる?」

彼女は彼にその能力があると信じていた。

ただ、何事も証明するには時間が必要であり、彼女は彼に任せてやらせなければならない。

そして柏木浬は、安田家が秋山棠花にとってどれほど重要かを誰よりもよく理解していた。その信頼を危険に晒すような真似はしない。

この件はうまく処理できる自信がある。だから、彼女がいなくても大丈夫だ。

「できる。知らせを待ってて...

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