第122章

 だが、水原春が義兄さんの教え子であることに配慮し、直接問い質すわけにもいかず、秋山棠花はすぐに視線を引っこめた。

 そして、先ほどの話題に戻る。

「義兄さん、今回は安市に何日くらい滞在するの?」

 名残惜しい気持ちはあれど、無理強いはできない。

 かつて藤原颯は海外へ留学し、その能力を現地の名門大学に見込まれて若き教授となり、それ以来ずっと海外に留まっていたのだ。

 何年も会えなかったのに、再会してすぐまた別れが待っていると思うと、秋山棠花の胸にはどうしようもなく寂しさが込み上げてくる。

 藤原颯は彼女の表情をすべて見透かし、口の端に意味ありげな笑みを浮かべた。

「では棠花は...

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