第128章

 人々の面前では、秋山棠花も藤原光弘の提案を断るわけにはいかなかった。

 しかし、心の奥底ではかすかな不安が渦巻いていた。

 この男は先ほどから、何かと彼女を舞台へと押しやろうとしていた。そして今度は、勝負の景品について自ら提案してきたのだ。

 彼女が知る藤原光弘という男からすれば、何か裏があるに違いない。

 今や大勢の視線が注がれており、しかも今日は彼女の誕生日パーティーだ。もしここで藤原光弘の提案を拒絶すれば……。

 二人の不仲は、次の瞬間には祖父の耳に入っていることだろう。

 思案の末、秋山棠花は妥協を選んだ。

「何かしら?」

 藤原光弘は彼女が同意することを見越してい...

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