第132章

 会議室の外で、秋山棠花は廊下の窓際に立っていた。

 中から怒りを露わにして出てきた教師は足早で、秋山棠花の存在には気づかなかったようだ。

 室内ではまだ副学長が話しており、その口調は厳格だった。

 「なんだあの態度は。教師を辞めたければ辞めればいい。辞職願を出せば必ず受理してやる。そんな見え透いた脅しが私に通用するとでも思っているのか」

 秋山棠花はその副学長に見覚えがあった。

 長年、彼は学内で評価が高く、ひたすら学生のことを考える良い教師だった。

 しかし、先ほど話していた田中という男には、心当たりがない。

 在学中、彼女は音楽学部の学生ではなかったが、今のこの状況を見る...

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