第148章

秋山棠花は、佐藤玲が本当にホテルまで自分を探しに来てくれたことについて、これっぽっちも疑っていなかった。

だが同時に、玲が映画界への進出をどれほど切望していたかも、痛いほどよく知っている。チャンスが目の前にあるなら、掴み取るのは当然だ。

「分かってるわよ。チャンスが来たんだもの、逃すわけないじゃない」

二人の付き合いはもう十数年になる。今さら上辺だけの気遣いで関係を取り繕うような間柄ではない。

秋山棠花に、彼女を責めるつもりなど毛頭なかった。

棠花も玲も、一度何かに打ち込むと意地でも結果を出そうとする、完璧主義な性格が似ているのだ。だからこそ、玲に良い巡り合わせがあったのなら、自分...

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