第149章

 佐藤玲はそれを聞いて、力なく首を横に振った。

「ううん。ただ一言、『俺たちに可能性はない』って……それだけ言い残して、行っちゃった」

 そう言うと、彼女は自嘲気味に笑みを浮かべ、俯いた。

「それもそうよね。家同士が許さないっていうのは別としても、私たちが結ばれる希望なんて最初から無いに等しいもの。あの人が、私みたいな小娘を好きになるわけない……」

「小娘?」

 秋山棠花は眉をひそめ、佐藤玲の言葉の核心を突いた。

「彼、いくつなの?」

「私より……十三歳、年上」

 佐藤玲は唇を噛み締める。

 これこそ、彼女が他人には話したがらない理由だった。十三歳差と聞いただけで、周囲は決...

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