第150章

 秋山棠花は覚悟を決めていたが、それでも叔父の一言には、しばし沈黙を余儀なくされた。

「叔父さんの考えは分かっているだろう。柏木浬という青年については、私だけでなく他の叔父たちも皆、太鼓判を押している。家柄にせよ、本人の能力にせよ、何よりお前への想いの深さにせよ、間違いなく彼こそが最適の相手だ」

「だが、お前の性格は我々が一番よく知っている。嫌なことを無理強いしたところで、良い結果にはならない。だからこそ、叔父さんはお前の本心が知りたいんだ」

 安田延司の口調は遠回しで、そして凪のように穏やかだった。

 手塩にかけて育ててきた秋山棠花には、誰よりも幸せになってほしい。だが、自分の考え...

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