第216章

一方その頃、藤原家の広間にて。

藤原家の祖父は、あくまで社交辞令のつもりで引き止めただけだった。ところが、まさか秋山棠花が本当に残ることになろうとは。そればかりか、夕食を共にしてから帰ると言い出したのだ。

祖父は焦りのあまり、今にも飛び上がりそうなほどだった。

こうなると分かっていれば、変な気を使わず、さっさと帰って体を休めるように促すべきだったのだ。そうすれば、今ごろ彼は自由の身だったはずなのに。

現状は、もはや最悪と言っていい。彼の方から追い返すわけにもいかず、一方で秋山棠花は祖父への負い目から、少しでも長くそばにいてあげたいと考えているようだった。

どうせ帰ったところでやるこ...

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