第220章

藤原家の当主が放つ威圧感と怒気に、水原春はびくりと身を震わせ、さらに深く頭を垂れた。

先ほど階下で起きた一部始終を、彼女は二階からつぶさに見ていたのだ。

秋山棠花の前ではあんなに好々爺然としていたのに、なぜ自分にはこれほど厳しいのか。自分は一体どこが秋山棠花に劣るというのか……。

だが、正面からぶつかるわけにはいかない。

藤原光弘を完全に籠絡できていない今、将来藤原家に嫁ぐためには、この老人の承認が不可欠だ。

どれほど権力を持とうとも、この家において光弘は祖父に対して絶対的な敬意を払っている。

この古狸さえ味方につければ、計画はより盤石なものになるはずだ。

そう計算するや否や、...

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