第238章

 藤原光弘が私的に二人の関係を認めて以来、水原春の社内での振る舞いは、日に日に常軌を逸したものになっていた。

 社長室への出入りは自由気まま。それどころか、彼を顎で使うことさえ遠慮がない。

 そんな日が、もう何日も続いている。

 高橋久弥は、とっくに彼女に対して愛想を尽かしていた。

 だが、当の社長はどういうわけか、彼女のこととなると熱の入れようが異常だ。重要な書類仕事すら放り出し、ただ彼女の相手をするためだけに時間を費やす始末である。

 高橋には理解不能だった。水原春のどこに、藤原光弘をそこまで夢中にさせる要素があるのか。容姿も気品も、奥様である秋山棠花の方が数段上ではないか。

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