第244章

「本当ですか?」

 高橋久弥は片方の眉を上げ、視線で室内を示した。

「ここには監視カメラや盗聴器の類は仕掛けられていないんでしょうね?」

「ええ、ありません。休憩室のセキュリティは極めて厳重ですし、電子機器の持ち込みも禁止です。部屋の壁も完全防音仕様になっていますから」

 日向琴葉は真剣な表情で説明した。

 この場所でプライバシーに関わる話や企業秘密を話したとしても、第三者に漏れることは決してないと言いたかったのだ。

 だが、その言葉が逆に高橋久弥に付け入る隙を与えることになるとは、彼女は思いもしなかった。

「ほう?」

 彼は顎に手を添え、目を細めて日向琴葉を見据えた。

「...

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