第251章

「警察に通報する、だと?」

 日向琴葉が見せたその不屈の態度は、かえって高橋久弥の興味をそそる結果となった。

 彼は冷笑を漏らし、彼女の手首を掴むと、強引に自らの体に押し当てる。

 低く、微かな威圧を含んだ声が落ちてくる。

「お前にそれができるか? 警察が来て店の中を調べ回れば、捕まるのは俺だけじゃ済まないはずだが……」

 日向琴葉の瞳が揺れる。

 危うく忘れるところだった。目の前の男は、彼女が抱える裏の事情をすでに掴んでいるのだ。

 万が一彼がそれを漏らせば、警察の手には負えないとしても、あの「組織」の人間が彼女を許しはしないだろう。

「どうした、怖気づいたか?」

 高橋...

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