第253章

 彼女の周りを固める警護たちは、延司おじさんが彼女の身を案じて特選した精鋭部隊だ。もしここで騒ぎになれば、いかに藤原光弘の部下といえど、彼らに勝てるとは限らない。

 それに、ここは公衆の面前だ。万が一騒ぎが大きくなり、会社にまで悪影響が及ぶような事態は避けたかった。

 だが次の瞬間、藤原光弘は覆いかぶさるようにして彼女をシートに押し倒した。彼女の両手首を片手で容易く捕らえると、頭上へとねじ上げる。

 秋山棠花は、彼を見上げざるを得ない体勢になった。

 眼前に迫る彼の瞳。その奥には、抑圧された狂気と、彼女に対する剥き出しの欲望が渦巻いているのがはっきりと見て取れた。

 この感覚には覚...

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