第269章

唇を尖らせて拗ねている秋山棠花。その愛くるしい姿に、田中は思わず吹き出しそうになった。

慌てて近寄り、彼女を諭すように言葉をかける。

「何を言っているんですか。これは妊娠中なら当然の現象ですし、どこが太ったというのです?」

「それに、これは妊婦なら誰もが通る道です。日々変化し、お腹の中で子供がゆっくりと育っていくのを目の当たりにできるのは、母親にとって何よりの幸せなんですよ」

田中がいかに崇高で耳触りの良いことを言おうとも、秋山棠花の悩みは晴れなかった。ベッドの上に放り投げられたドレスの山が、彼女の憂鬱を物語っている。

これほど服があるのに、着られるものが一着もないのだ。

彼女は...

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