第281章

 その言葉を聞くや否や、安田延司はスマートフォンをひったくるように受け取り、安田礼もすぐさまそれを覗き込んだ。

 藤原光弘も画面を見ようと身を乗り出したが、礼の鋭い眼光に射抜かれてたじろぎ、大人しく脇に控えて藤原颯の説明を待つほかなかった。

 秋山棠花が生きている――それ以上に、彼の心を安堵させる事実は存在しない。

 今この瞬間だけは、棠花を巡って争う恋敵である兄の顔さえ、幾分か好ましく思えるほどだった。

 監視カメラの映像が、棠花が現れるはずの時間帯へと進む。二分ほど経過したところで、礼がハッと目を見開いた。

 画面の中を疾走する数台の車を指差し、声を上げる。

「兄貴、この車だ...

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