第313章

 そう思い至り、日向琴葉は高橋久弥にメッセージを送った。「どこにいるの? 胃の調子が悪くて」

 その文面を目にした瞬間、高橋久弥の心はジェットコースターのように激しく揺さぶられた。まさか、あの日向琴葉が自分に甘えてくるなんて、にわかには信じがたいことだった。

 これはつまり、彼女が自分に対して全く気がないわけではないという証拠ではないか。少なくとも、体調が悪い時に真っ先に思い浮かべるのが自分なのだから。

 高橋久弥の鼓動が一気に早まる。

 彼は手元の仕事を大急ぎで片付けると、車に飛び乗り、オル美容院へと急行した。

 *

 やがて妊婦健診の日が訪れ、秋山棠花と藤原光弘は揃って病院の...

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