第316章

 男の体には、嫌というほど見慣れた特殊な印があった。組織からの刺客だ。

 口封じに来たのだ!

 日向琴葉は即座にドアをロックし、ハンドルを強く握りしめた。深く息を吸い込み、湧き上がる恐怖を無理やり抑え込んで冷静さを取り戻そうとする。

 秋山棠花に情報を流すと決めた時点で、いつかこうなることは覚悟していた。

 だが、まさかこれほど早く、自分の裏切りが露見するとは思っていなかった。

 極秘裏に動いていたはずなのに、一体どこで歯車が狂ったのか。

 エイドリ家は、裏切りを最も嫌う。

 一度発覚すれば、地の果てまで追いかけて捕らえる。

 そのために彼らは、反逆者を狩るための「死士」とも...

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