第318章

 会社へ戻る車中、藤原光弘の携帯電話が鳴った。南アフリカに駐在している高橋久弥からだ。

「藤原社長、南アフリカでのプロジェクトが停滞している原因が判明しました」

 受話器の向こうから、高橋の硬い声が響く。

「エイドリ家が市場の独占を目論み、良質な資源を他社に渡すまいと画策しているようです。現地の役人を買収して不当な価格吊り上げを行っていますが、我々は以前交わした契約がありますから、当然そのような追加資金には応じられません。その対立が、プロジェクト遅延の決定打となりました」

 報告を聞く藤原光弘の瞳は、わずかに伏せられたままだ。その表情に驚きの色はなく、すべては想定の範囲内といった風情...

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