第327章

 病院。

 救急搬送された高橋久弥は、一通りの検査を受けた後、高熱による突発性の意識障害と診断され、そのまま医師の手配で入院することとなった。

 点滴を終え、ようやく意識を取り戻した高橋久弥。まだ瞼を開くこともままならない彼の耳に、誰かが声を潜めて話すのが聞こえてきた。

「あいつを助けようとなんてしなければ、お嬢様が目を付けられることもなかったんだ。いい年した男が恋愛ごときで命を投げ出すなんて……その上、俺たちのお嬢様まで巻き込みやがって。まったく、この怒りをどこにぶつけりゃいいんだか」

「違いない。あいつが死に物狂いで恋人に会いたいなんて言い出さなきゃ、お嬢様が途中で目を付けられて...

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