第337章

「本当か。棠花は無事なのか?」

 安田礼は、わが耳を疑った。

 よかった。

 棠花さえ戻れば、お爺様もきっと持ち直すはずだ。

 礼が二の句を継ぐよりも早く、共に駆けつけた日向琴葉もその言葉を耳にしていた。激昂のあまり、その声は掠れている。

「安田さん、今の話は本当ですか……っ。秋山棠花は、本当に無事に帰ってきたんですか!?」

 車椅子の上で、琴葉は堪えきれずに涙を溢れさせていた。

 秋山棠花は彼女のために病院へ向かったのだ。そして安田豊文が事態を知ったのも、彼女が高橋久弥へ掛けた電話を偶然耳にしてしまったからだ。

 すべては、自分のせいで……。

「私のせいです……私が安田お...

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