第363章

 涙を拭うべき時だと、誰もが悟ったかのようだった。皆、紙ナプキンで目元を拭うと、静かに目の前の昼食へと箸を伸ばし始めた。

 敢えて口火を切ろうとする者はいない。誰もが己の情緒の内に沈み込んでいる。

 秋山棠花は亡き祖父に想いを馳せていた。

 そして、叔父もまた同じであることを知っていた。

 食事が終わると、叔父たちは次々と席を立ったが、安田延司だけは事務処理のために屋敷に残った。

 日向琴葉の体調はまだ万全ではない。この数日、病院で彼女と田中が献身的に付き添ってくれていたが、ようやく帰宅できたのだ。

 屋敷には使用人がいる。彼女たちもこれでようやく骨休めができるだろう。

 だが...

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