第364章

 夢うつつの中で、秋山棠花は白く霞む霧の向こうに、祖父と祖母の姿を見たような気がした。二人は互いに支え合いながら、ゆっくりと彼女の方へ歩いてくる。

 距離は近いはずなのに、祖父の声は遥か彼方の時空を越えて響いてくるようだった。

 彼は言った。

「棠花、恐れることはない。すべてうまくいく。お前自身の幸せを見つけるんだ」

 そう言い残し、その姿は霧の中に掻き消えた。

 秋山棠花は立ち尽くしたまま、止まることのない涙を流し続ける。

 彼女は静かに頷いた。

「幸せになります、おじいちゃん」

 藤原光弘と完全に決別しさえすれば、新しい人生が始まるのだ。

 目覚めた秋山棠花は、頬に残る...

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