第367章

 何より重要なのは、藤原光弘がすでに秋山棠花に心を奪われているという事実だ。

 彼はずっと、夢にまで見た男だった。

 そのためにどれほど耐え忍んできたことか。「浮気相手」という汚名を甘んじて受け入れてまで尽くしたというのに、結局、彼は秋山棠花にかっさらわれてしまった……。

 だが、この屈辱的な事実だけは、死んでも藤原颯には教えない。

 帰国した当初、二人の利害は一致していたはずだ。

 私は、藤原光弘を手に入れる。

 藤原颯は、秋山棠花を手に入れる。

 だというのに、あの二人は結ばれてしまった。それも、あろうことか藤原光弘の方から秋山棠花に惚れ込んでいるなど……口にするのも恥ずか...

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