第375章

 秋山棠花は片眉を器用に跳ね上げると、何も答えずに日向琴葉の手からホットミルクを受け取った。そして、顎をしゃくって「自分で開けて中を見てみなさい」と合図を送る。

「えっ、それは……まずいんじゃ」

 琴葉は慌てて手を振った。

 招待状はあくまで秋山棠花宛てに送られたものだ。それを秘書の自分が勝手に開けるわけにはいかない。

 秋山棠花は鼻で笑った。

「好きに見ていいわよ。それに、中には“サプライズ”が入ってるはずだから」

 彼女の予想が正しければ、この招待状は秋山柔子がわざと彼女の元へ送りつけてきたものだ。

 藤原光弘を招待するという体裁をとっているが、その実、すべては彼女への見せ...

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