第377章

 言葉にしなくとも、ボディガードは日向琴葉が手にしている物が何であるか、瞬時に悟ってしまった。

 受け取るどころか、その顔は恐怖で蒼白になっている。

「日向さん、俺を殺す気ですか?」

 それはGPS発信機だった。

 一介のボディガードが、あろうことか雇い主の体にそんな物を取り付けるなど。

 自殺行為以外の何物でもない。

 だが、日向琴葉はそんな男の事情など知ったことではなかった。

 彼女が望むのは、秋山棠花が気兼ねなく過ごせると同時に、その安全が保証されることだけだ。

「あなた、本当に融通が利かないわね」

「今は非常時なのよ? 秋山棠花を外に出さなければ彼女の気が済まないし...

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