第379章

「藤原光弘、あの女が子供を一人失ったくらいで、そんなに胸が痛むわけ?」

「じゃあ、私がアフリカなんていう人喰いのような場所に送り込まれて、どんな日々を送っていたか考えたことある?」

 秋山柔子は冷ややかな笑みを浮かべて彼を見下ろした。

「あそこでなぶり殺しにされかけた時、私を少しでも不憫に思ったことはあった?」

 藤原光弘の表情が陰る。

「秋山柔子、お前がしでかした愚行について、二度も言わせる気か」

 彼が悔やんでいるのは、彼女をもっと遠くへ追放しなかったことだけだ。まさか逃げ出す機会を得るとは。

 しかも、謎多きエイドリ家に取り入っていたとはな。

 秋山柔子はもちろん忘れて...

ログインして続きを読む