第381章

「失せろ……」

 秋山柔子が発情した獣のようにのしかかってくるのを見ても、藤原光弘は微塵も感じ入ることはなく、ただただ生理的な嫌悪と反感を覚えるだけだった。

 この女を「狂っている」と評するのは、むしろ褒め言葉にすらなるだろう。

 自身の貞操が風前の灯火であるのを悟り、光弘は歯を食いしばりながら、必死に時間を稼ぐ策を巡らせた。

「一体、何が望みだ?」

 柔子はくすりと笑い、指先で彼のベルトのあたりを弄ぶ。

「こんなに露骨なのに、光弘兄さんったら、まだ分からないの?」

「私が欲しいのは……貴方だけよ」

「お前……」

 光弘は呆れ果てて言葉を失った。罵倒する気力さえ、唾の無駄遣...

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