第382章

あえて、その出前を注文したに決まっている。

この私が、そこまで慈悲深いとでも思ったのか?

藤原光弘があんな女を目の前で連れ回し、私を不快にさせたのだ。これでおめおめと引き下がるようでは、安田家の姫としての名が廃る。

それに、ただ薬膳スープを差し入れただけではないか。

二人の情事をスマホで盗撮するわけでもなく、これでも十分温情をかけた方だ。

二人が「愉快な」夜を過ごせるよう、薬膳スープにたっぷりと「精力剤」を加えてやったのだから、なんと親切なことか。

それなのに感謝されるどころか、逆恨みされるとは。

せっかくの親切心が台無しだ。

まったく、嘆かわしい。

ドアの外では、秋山柔子...

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