第386章

「秋山柔子に会いたい、だと?」

 奴らはなぜ、秋山柔子がここに隠されていると知っている。まさか、尾行されていたのか?

 だが、秋山家はもう空っぽだ。今さら彼女を訪ねてくる者など、彼女の背後にいるあの謎の組織しかあるまい。

 ……エイドリの手の者か。

 藤原光弘は瞳を暗く沈ませ、感情を押し殺すと、低い声で命じた。

「通せ」

 秋山柔子の口から何も聞き出せなかった以上、エイドリ側にとって彼女にどれほどの価値が残されているのか、見定めてやるのも悪くない。

 そこから情報を引き出すことなど、造作もないだろう。

 彼は手を振り、部下に秋山柔子を別室へ移させ、厳重に見張るよう指示した。

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