第387章

 そう言って、男は藤原光弘に向かって両手を広げ、全身に武器など所持していないことを示した。

「ここに来た目的は一つだけだ。藤原さん、そう警戒しなくていい」

 藤原光弘は男を一瞥すると、傍らのボディガードに顎で合図を送った。

 ボディガードは直ちに歩み寄り、男の身体検査を入念に行った上で、秋山柔子が監禁されている部屋へと案内した。

 その頃、意識を取り戻していた秋山柔子は、依然として全身を拘束されたままであった。突然ドアが開くと、藤原光弘が自分をさらに恐ろしい場所へ送るのだと勘違いし、恐怖のあまり叫び声を上げた。

「嫌よ、連れて行かないで! 藤原光弘、どうしてこんな酷いことをするの、...

ログインして続きを読む