第388章

 その時、後ろに控えていたボディーガードがたまらず問いかけた。

「藤原社長……あの女にあそこまでコケにされておきながら、このままみすみす逃がすおつもりですか」

 エイドリ家の庇護下に入った今、秋山柔子の身柄を拘束しようとすれば、事態は困難を極めるだろう。

 そんな単純な理屈は、一介のボディーガードである彼にさえ理解できることだ。

 一族全体を統べる藤原社長が、その程度のことに気づかないはずがない――彼はそう信じていた。

 機体がゆっくりと離陸する中、藤原光弘は窓外から視線を外し、重々しい口調で答えた。

「彼女を行かせたからといって、その罪を見逃すという意味ではない。物事には順序が...

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