第392章

藤原颯は考えれば考えるほど、あり得ないと思った。

むしろ藤原光弘が自分への報復として、でっち上げた嘘のように思える。

彼は秋山棠花を信じていた。彼女がそんな適当な相手と付き合うはずがない。

藤原光弘は議論する気も起きない様子で、薄い唇を嘲笑うかのように歪めた。

「俺もそこまで暇じゃない。そんなことでお前を騙して、俺に何の得がある?」

「どうしても知りたいと言うなら教えてやる。男の名は柏木浬。秋山棠花の幼馴染であり、現在は安田家の副社長として、彼女の代わりに一切の業務を取り仕切っている男だ」

「それに、こいつは棠花の五人の叔父たちからも気に入られている。連中は随分前から、二人をくっ...

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