第393章

 佐藤玲がスマホで航空券を予約しようとした、その時だ。部屋の外から、鋭い声が飛んできた。

「駄目です!」

「秋山さん、まだ体調が戻ったばかりだということ、お忘れですか?」

 部屋の入り口に立つ日向琴葉は、呆れ顔を隠そうともしない。彼女は秋山棠花が自分の体を粗末に扱うことに、断固として反対なのだ。

 前回、彼女が棠花の外出に手を貸した件は、幸いにも棠花の叔父たちにはバレなかった。だが、田中さんにはしっかりと見つかってしまったのである。

 あの一件以来、日向琴葉は田中さんから散々お説教を食らっていた。

 ようやくほとぼりが冷めたと思ったら、また秋山棠花が抜け出そうとしている。これ以上...

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