第413章

藤原光弘の意識は、かつてないほど冴え渡っていた。

藤原グループの内部にエイドリ家の人間が入り込んでいる──現状から推測するに、その人物は彼の身近に潜伏しているか、あるいは社内ですでに相当な地位を築いているかのどちらかだ。そうでなければ、音もなく社長室に侵入し、彼の署名や印鑑を模倣することなど不可能なはずだ。

だが、一つだけ解せない点がある。

彼の側近には高橋久弥がいるが、それ以外の人間など端から信用していない。

そして高橋久弥がそのような裏切り行為に及ぶとは到底思えなかった。彼には、会社や自身の利益を損なうような真似をする動機が皆無だからだ。

となると、社長室に出入りでき、かつ金庫...

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