第415章

 さすがは修羅場をくぐり抜けてきた男と言うべきか。安田延司は一瞬にしてその表情を引き締め、真剣な眼差しで秋山棠花に語りかけた。

「棠花。延司おじさんはお前の言いたいことも、他人のために動いていることも分かってる。だが、柏木浬の気持ちを考えたことはあるのか? あいつが好きなのはお前だ。それを他人に押し付けるなんて、あいつがどう思う」

「それに、柏木浬はお前の過去など気にしていない。あいつは今の『秋山棠花』そのものを愛しているんだ。延司おじさんとしては、断るにしても正直に言うにしても、そんなやり方であいつを傷つけてほしくはない」

 安田延司の視点からすれば、柏木浬は彼ら叔父たちが棠花のため...

ログインして続きを読む