第431章

 病室。

 ベッドに横たわる藤原光弘が、ゆっくりと重い瞼を持ち上げる。視界に最初に飛び込んできたのは、秋山棠花の姿だった。

 脳裏に、彼女が斜面を転がり落ちていく危険な光景がフラッシュバックする。心臓が早鐘を打った。

「秋山棠花……お、お前、どうだ……?」

「体は、なんともないか……」

 声を発するたび、全身を刺すような激痛が走る。だが、そんなことはどうでもよかった。今はただ、彼女がどこか怪我をしていないか、それだけが気がかりだった。

 ボロボロの体で目覚めるなり、開口一番に自分の安否を気遣う藤原光弘。その姿に、秋山棠花の胸の奥が小さく疼いた。

 だが、聞きたいことは山ほどある...

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