第441章

秋山棠花はその提案に、一瞬言葉を詰まらせた。

楓兄さんが家に来るのが嫌なわけではない。ただ、今の状況があまりに特殊すぎるのだ。

藤原光弘と完全に別れ、柏木浬の求愛も遠回しに断ったばかり。このタイミングで楓兄さんが家に来れば、誤解を招くのは目に見えている。

それに、楓兄さんと藤原光弘はよく似ている……。

延司おじさんや礼おじさんが、余計な気を回すに違いない。

やはり、波風は立てないほうがいい。

「楓兄さん、わざわざ来てもらうのは悪いわ。いつものカフェで待ち合わせにしない? あそこのハンドドリップコーヒーが飲みたくなっちゃって」

以前はよく通っていた店だが、いろいろあって足が遠のい...

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