第453章

「ドンッ!」

 藤原光弘はハンドルに拳を叩きつけた。その双眸は充血し、掌には爪が食い込むほど力が込められている。

 藤原颯。

 お前のせいで、俺はすべてを失った。

 絶対に、許さない。

 時を同じくして、藤原グループの本社。

 藤原光弘が会社を去り、単身で安田家の方向へ車を走らせたとの報告を受け、藤原家の当主である祖父は、ようやく安堵の吐息を漏らした。

 そう。

 後継者の交代劇も、藤原光弘の手から権力を剥奪したことも……すべては彼が仕組んだ狂言に過ぎない。

 彼にとって、藤原家の正統なる後継者は、末孫である藤原光弘をおいて他にいないのだ。

 藤原家のすべては、いずれ彼に...

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