第490章

当初、藤原光弘は楽安グループの一件を、エイドリ家から藤原颯への些細な警告程度に捉えていた。

だが、先ほど病室で目撃した兄の姿——祖父に謝罪するその表情と口調は、演技とは思えぬほど真に迫っていた。

直感が告げている。事態はそう単純ではないと。

藤原光弘はかつてエイドリ家の人間と対峙した経験があり、彼らの強欲さを身に沁みて知っている。一度手駒にした藤原颯を、彼らがそう簡単に手放すはずがない。

藤原颯があれほどまでに深く祖父に詫びた理由。それは恐らく、エイドリ家がいよいよ本性を現し始めたからに違いない。

だが、今の藤原颯は全身に警戒心を漲らせている。

光弘の度重なる追及を、後継者の座を...

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