第507章

 日向琴葉は事態の深刻さを知り、悔やんでも悔やみきれない思いに苛まれていた。

 あの時、出かけようとする秋山棠花を引き留めていれば……。

 あるいは、何をしに行くのかと一言尋ねるだけでも、今のように何の手がかりもない状態よりはマシだったはずだ。

 だが、起きてしまった今、何を言っても後の祭りだ。

 最優先すべきは、誰が秋山棠花に手を出し、どこへ連れ去ったのかを突き止めることだ。

 相手がどんな条件を出そうとも、安田家は拒まない。ただひたすらに、秋山棠花の無事を願うのみだ。

 安田延司はすでに安田家の総力を挙げ、全人員を街中に放って秋山棠花の行方を捜索させていた。さらに、彼女に関す...

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