第537章

藤原の祖父が休息を必要としていたため、秋山棠花は病室にしばらく滞在した後、席を立った。

去り際、棠花は祖父に「ちゃんと食事を摂ってくださいね」と念を押し、二、三日後にまた見舞いに来ると告げた。

また来てくれると聞き、祖父は嬉しそうに頷く。

年老いると、やはり子や孫が傍にいてくれることを望むものだ。

棠花が病室を出るや否や、山田蓮花は藤原光弘の背中をバシンと叩いた。

彼は呆気にとられたが、母親は「何ボーッとしてるの!」と言わんばかりの視線を送ってくる。その声は、母子にしか聞こえない音量だった。

「棠花ちゃんが行っちゃったじゃない。何突っ立ってんのよ、早く追いかけなさい!」

「あ、...

ログインして続きを読む