第70章

「これからのことは、私の代理人弁護士が全権を以て処理します。あなたたち秋山家が償うべきは、私の母が経験した苦痛の十倍、百倍よ。せいぜい楽しむことね、時間はいくらでもあるのだから！」

秋山棠花はためらうことなく立ち上がり、その瞳の奥には骨の髄まで凍るような冷たい光が宿っていた。

かつて秋山家が彼女に負わせた借りは、そう簡単には清算させない。

ドアを押し開けた瞬間、秋山棠花の目に飛び込んできたのは、墨のように深く黒い瞳だった。

藤原光弘はアイアングレーのパリッとした高級オーダーメイドスーツを身にまとっている。会社で着ていたそのものだ。彼はただ静かにそこに佇み、いつから来ていたのか...