第706章

藤原光弘にとって、そんなことはどうでもよかった。己のプライドと秋山棠花の命を天秤にかければ、躊躇うことなく後者を選ぶ。

秋山棠花は彼の命そのものだ。

自分の命と引き換えに彼女と腹の中の子の無事が保証されるなら、微塵の迷いも抱かない。

ましてや、今は。

目の前の梅原剛志は、藤原光弘が本当に跪いたのを見て狂喜乱舞し、高笑いしながらスマートフォンを取り出した。この光景を録画し、一生の弱みとして握り潰すつもりなのだ。

「あの藤原光弘がこんな無様な姿を晒す日が来るとはな!俺の会社を破産させ、笑い者にしてくれたが、とうとうお前にもツケが回ってきたってわけだ……」

藤原光弘は自分が何を撮られよ...

ログインして続きを読む