第709章

目の前で深刻な表情を浮かべる男を見て、秋山棠花は思わず吹き出した。

彼女は深呼吸をし、呆れたように彼を見つめた。

「藤原光弘、そんな顔しないでよ。私は出産するだけで、怪我をしたわけじゃないんだから。たとえあなたに噛みついたって、私の痛みが一ミリでもあなたに移るわけじゃないのよ」

「それに、あなたがそんなにガチガチだと、こっちまで緊張しちゃうじゃない。もう少しリラックスしてよ。出産って一瞬で終わるものじゃないし、特に初産は時間がかかるんだから。ゆっくりやらなきゃ」

「わかった。俺も緊張しないから、お前もリラックスしてくれ」

藤原光弘は彼女の手をきつく握りしめ、自らの唇に押し当ててキス...

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