第802章

 礼も調子を合わせて相槌を打った。

「悠馬の言う通りだ。もう彼女は俺たちの家にいるんだから、機会を見て時也をこっそり呼び戻せばいい。こっちで結婚式を挙げて、既成事実を作っちまうんだ。そうなれば北野の連中がいくら騒ごうが、娘はもう時也の嫁だ。事実を突きつけられれば、認めざるを得ないだろう」

「もし時也に冷たい態度を取り続けるなら、何年かR国に帰らなきゃいい。どっちが焦るか見ものだぜ!」

 礼はそう言いながら、北野家が地団駄を踏む様子を想像して得意げに笑った。

 だがその直後、「バンッ」という鈍い音と共に、安田延司の厳しい一喝が響き渡り、礼はビクッと肩を震わせた。

「馬鹿者!」

「俺...

ログインして続きを読む