第818章

秋山棠花は、ようやく藤原光弘の異変に気がついた。

別れるだとか……彼のもとを去るだとか?

いったいいつ昔の話だ。どうして今になってそんなことを言い出すのだろうか……

それに、彼が口にする仮定の話も、以前ふたりが口論になった時によく出てきた言葉ばかりだった。

だが今は、こうして一緒にいるではないか。

子どもだって生まれたというのに。

藤原光弘は突然、何を言い出しているのだろう。

不審に思った秋山棠花は、藤原光弘のほうへ振り向いてちゃんと話をしようとした。ずっと背後から抱きすくめられたままでは、彼の顔すら見えないのだ。

「藤原光弘、もう言わないで。とりあえず手を離して……」

そ...

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