第4章
ケナ・ヘイズの視点
月曜の朝。すべてが爆発してから一日。
私は野球帽をぐっと深く引き下げ、スマートフォンの黒い画面でサングラスを確認した。もしかしたら、見た目が十分違って見えれば、誰も私に気づかないかもしれない。……なんて、そんなわけないか。あの動画は一晩で五十万回再生を突破した。このキャンパスの誰もが、私の名前を知っている。
午前八時の中庭は人でごった返していた。学生たちがコーヒーカップやバックパックを手に、いつもの月曜の喧騒が広がっている。私は俯いて、教室に向かって早足で歩いた。
「あれ、あの子だよ! コンサートビデオの」
聞こえてしまった。
「うわ、本当だ。かわそうに」
肌が粟立った。視線が、視線が、全部私に突き刺さる。まさに私が恐れていた事態だった。
「本当にあの子なのかな?」さらに大きな声。「彼氏、バスケ部のメイソンだって聞いたけど。クズだな」
あと二十歩。あと二十歩だけ。
「ケナちゃん!」
私は立ち止まった。見たこともない女の子が、なんだか妙に興奮したエネルギーで顔を輝かせながら、こちらに駆け寄ってくる。何?
「ごめんなさい、お邪魔して。でも、どうしても言いたくて――」彼女は息を切らしている。「私のヒーローです! あなたみたいな勇気があったらなって思います」
私は彼女を呆然と見つめた。「私……が?」
「あの対応の仕方。すぐに彼と別れて、嘘に丸め込まれなかったこと」彼女は私の腕を掴んだ。「浮気者への正しい対処法を私たちに示してくれて、ありがとうございます」
正しい対処法? 私は吐くほど泣いたのに。目が真っ赤な風船みたいに腫れ上がってるからサングラスをしてるのに。「ごめん、授業に行かなきゃ」
彼女の笑顔が消えた。「あ……そうですよね。ごめんなさい。ただ、みんながあなたの味方だって伝えたくて」
彼女は去っていった。私は馬鹿みたいにその場に突っ立っていた。数メートル先で誰かが私にスマートフォンを向けている。本気でこれを撮ってるの?
私は再び歩き出した、もっと速く。
教室の階段にたどり着く寸前で、彼を見てしまった。
メイソン。
彼はひどい有様だった。髪はあちこち跳ね、目の下の隈は痣のように深い。顎には無精髭。土曜の夜に着ていたあのグレーのロックTシャツは、まるでそれを着たまま寝たかのようにくちゃくちゃだ。ジーンズの片膝には、何かこびりついたような染みがついていた。
彼が私に気づき、その顔がくしゃりと歪んだ。こちらへ歩いてくる。
嫌だ。絶対に嫌。私は彼を避けようと身を翻したが、彼の方が速かった。私の進路に飛び込んできた。
「ケナ、お願いだ!」彼の声が裏返った。「話を聞いてくれ」
周りの人たちが速度を落とし、立ち止まる。スマートフォンが取り出される。最高ね。みんなに見せるための新たなサーカスってわけだ。
「どいて、メイソン」彼を避けようと一歩踏み出すと、彼も一緒に動き、私の腕を掴もうとした。
私は勢いよく身を引いた。「触らないで」
「エヴリンは俺にとって何でもないんだ」必死で、取り乱したような言葉が飛び出した。「あれは馬鹿げた過ちだった! 酔ってたんだ、何も考えてなくて――」
「酔ってなんかいなかったでしょ」死んだような声が出た。「あの写真を偽造するくらいには素面だった。私の目をまっすぐ見て嘘をつけるくらいにはね」
「わかってる。俺がめちゃくちゃにしたのはわかってる」彼の目が赤く潤み始めた。本気で泣くつもり?「でも、愛してるんだ。ずっと君を愛してた。あいつはただ――」
「ただ、何?」胸の奥で何かがカッと熱くなった。「私が家で待ってる間にやる、ただの暇つぶし? 遊びだったってこと?」
「そんなんじゃない!」
「じゃあ、どんなふうだったの、メイソン?」私は一歩近づいた。手が震えている。「教えてよ。いつから始まったの? 何回嘘をついた? 彼女とメールしながら、何回私に愛してるって言ったの?」
彼は口を開き、そして閉じた。何も出てこない。
「……そう。やっぱりね」
「ケナ、聞いてくれ――」
その瞬間、彼は崩れ落ちた。文字通り、教室の階段のその場で膝から。周りからどよめきが起こる。谁かが「マジかよ!」と叫んだ。
「何でもする!」今や号泣だ。剃っていない顔を涙が伝う。「SNSも全部消す。あの子と絶交だってする。君が望むことなら何でもするから。だからお願いだ、どうか、どうか許してくれ!」
私は彼を見下ろした。三年間愛したこの男を。私の大学生活のすべてを懸けてきたこの人を。誰よりも信頼していた人を。
惨めだ。
その思考は、冷たく、はっきりと浮かんだ。膝をついて泣きじゃくり、こんな大げさな見世物をして、まるでそんな派手なジェスチャーで自分が破壊したすべてが魔法のように元に戻るとでも思っているかのように、彼はまったくもって惨めだった。
「立って、メイソン」まるで他人みたいな声が出た。「みっともないよ」
「構わない! 誰に見られたって構わない。ただ君に分かってほしいんだ――」
「おい、彼女を放してやれよ!」群衆の中から男の声が飛んだ。
「嫌だって言ってんだろ、尊重しろよ!」別の声が続く。
メイソンは、まるで今になって観客の存在に気づいたかのように、勢いよく辺りを見回した。今や五十人はいるだろうか、そのほとんどが撮影している。彼の顔が真っ赤に染まった。
「俺はそんなつもりじゃ――」彼は狂ったように私を見返した。「ケナ、お願いだ。五分だけでいい。説明させてくれ」
「あなたは土曜の夜に、もう選択をしたでしょ」私は一歩下がり、彼との間に距離を作った。「これからは、その選択と共に生きていけばいい」
「ケナ、待って――」
「私たち、終わりだよ、メイソン。もう終わったの。受け入れて」
私は彼の横を通り過ぎた。彼は膝をついたまま、今度は私を掴もうともしなかった。群衆が道を開けてくれる。通り過ぎる際、誰かがぽん、と励ますように私の肩に触れた。
足から力が抜けていくようだったが、私は止まらなかった。廊下の中に入り、角を曲がって、完全に姿が見えなくなるまで。
それから壁に寄りかかり、どうやって呼吸するんだったかと思い出そうとした。
いったい、何が起こったの?
スマートフォンが震え始めた。そして、震え続けた。私は震える手でそれを取り出した。
知らない番号から、「ケナさん、こんにちは。エヴリンです。話があります」
冗談でしょ。
私がそれを処理する間もなく、次のメッセージが届いた。
一枚の写真。メイソンとその金髪の女の子が、彼の部屋らしき場所で写っている。彼女は笑い、メイソンの腕が彼女の腰を強く抱きしめている。日付は三週間前。
別のテキスト。「あなたが全部台無しにした! メイソンと私は愛し合ってるの。あなたはただ支配的で冷たいだけ」
スマートフォンを握る指に力が入った。支配的? 私は文字通り、彼が望むものは何でも与えてきたのに。
さらにメッセージが殺到する。
「私、彼の子を妊娠してるの」
胃が床まで落ちていくような感覚がした。
「本当に、家族を壊すつもり?」
