第7章
冷たい海水が、塩をたっぷり含んだ鋼の針みたいに何本も何本も顔面へ叩きつけられる。
密輸貨物船の甲板で、松本勝矢は全身を引きつらせるような痙攣の中、意識を取り戻した。
起き上がろうとして身をよじった瞬間、背筋が凍る。
――脚が、ない。
いや、ある。だが感覚が、まるで消えていた。
視線を落とすと、両足は重たい四角いコンクリートの塊に、きっちりと固められている。
「コンクリート・シューズ」
マフィアの世界で、取り返しのつかない裏切り者を処刑するための、最も古く、最も残酷なやり方。海へ落とされれば、そのまま真っ逆さまに海底へ沈み、二度と陽の光を見ない。
「や……やめろ…...
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